2024年7月27日に、「佐渡金山」が、世界文化遺産に登録された佐渡。
夫と二人で、2泊3日(2024.10/16~10/18)の佐渡旅行に行ってきました。
佐渡のあちこちを巡ったので、暫く「佐渡を巡る旅」を載せていきますので、
お付き合い頂けると幸いです。
1日目は、生憎の曇り空のため、佐渡の中央部を横断し、神社仏閣巡りをして、
宿泊地の相川を目指しています。
最初に訪れたのは、①清水寺(清水寺):歴史を感じることのできる場所で、
特に、京都の清水寺を模して建てられた「救世殿(くぜ
でん)」は素晴らしかったです。(佐渡を巡る旅①)
今回、訪れたのは、「長谷寺(ちょうこくじ)」です。
(1日目):10/16
②長谷寺(ちょうこくじ)
長谷寺は、大和の長谷寺を模したといわれる、大同2年(807)開基の古刹。
長谷寺の寺号は、地形が大和の長谷寺に似ているところから、『里を長谷と
称し、山号を豊山、寺号を自性院長谷寺と称せり』と、『古伝縁起』に書か
れています。
長谷寺は、“花のお寺”としても有名で、5月上旬には、境内に牡丹の花が咲き
誇ります。
駐車場に車を停めると、2018年に建てられた「ウサギ観音」がお出迎えして
くれました。
長谷寺は、“うさぎ寺”の名でも親しまれ、佐渡市の観光名所の一つになって
いました。境内の草取り役のために、飼いだしたうさぎで、一時期は140羽
にもなって、境内を走り回っていたようですが、多頭飼いによる飼育崩壊が
問題となり、不衛生な環境や過剰な多頭飼育で、病気がまん延したため、
飼育小屋を建て、掃除をし、オスメスを別の小屋で飼育、学校などにも譲り、
9羽まで減らす策がとられているようです。
なので、境内を走り回るうさぎは、見ることが出来ませんでした。
建物脇の塀が連なる細い道を通って、参道に出ます。
お城にある塀の様な立派な造りです。
参道は、長い階段が続きます。
正面の仁王門から入って来なかったので、石段の途中から本堂に向かいました。
下に見えるのが、仁王門です。
本堂に向かうため「長谷寺内門」を潜ります。
振り返って見た「長谷寺内門」です。
「本堂」と「庫裏」が見えます。
本堂は、残された棟札によると、安永6年(1777)に建てられたもののよう
です。桁行21メートル、梁間14メートルの寄棟造茅葺(鉄板仮葺)で、山腹に
南面して建っています。
本尊の十一面観音立像3体は、弘法大師の御作と伝えられています。明治39年
4月、国宝・重要文化財(現国重文)に指定されました。本尊は古来から秘仏
として、33年毎に御開帳されています。
内部は、豪奢な造りではありませんが、一つ一つが手の込んだ造りになって
いました。
参道に戻り、「観音堂」の方に向かいます。
本堂から参道に出る手前に、「高野槇」の巨木がありました。
樹高約40メートル、根周り5.1メートル、目通り幹囲4.6メートル、枝張りは
東西18メートルにも及ぶ巨木で、樹齢400年以上と推定されています。
青々とした葉をつけていました。
参道の石段の右手に「鐘堂」があります。
2層からなる楼門風の鐘堂で、南北棟の入母屋造鉄板葺。下層は桁行3.2m、
梁間2.3mで、廊下として使われています。上層は四周に、高欄付の縁を
まわしてあります。明治9年(1876)の棟札には、元々は五仏堂(五智堂)
の南西にありましたが、不便なため現在地に移設したことが記されています。
石段の正面に「観音堂」が見えてきました。
元禄4年(1691)建築の規模の大きな五間堂。
外陣(一般客が座る場所)及び内陣(御祈祷の際に僧侶が座る場所)・脇陣
(内陣左右の区画)からなっていて、内陣天井には、梵字が飾られ、江戸中期
における密教本堂の形となっているようです。(暗くて良く見えませんでし
たが・・・)
「五智堂」に向かう階段脇に「経蔵倉」があります。
この経蔵倉の内部には、「輪蔵」と呼ばれる回転式の書架(本棚)があり、
この輪蔵を一回転することで、一切経(経典の総称)を読むのと、同じ功徳が
あると言われているそうです。
階段を進むと「五智堂」が見えてきます。
赤い扉が目を惹き、美しいです。
五智堂は、貞享4年(1687)に、長秀住職により建立されたものです。
堂内には、五智仏(阿弥陀如来、釈迦如来、大日如来、薬師如来、宝生如来)
の、金剛界の五仏が安置されています。内部の内陣には、円形平面をもつ大塔
形式で、全国でも数少ない貴重な建物のようです。
戻って、参道の石段を下り、「仁王門」を見てきましょう。
観音堂の庭の脇には、「三本杉」と呼ばれる、樹齢は千年以上(推定)とされ
る杉の木が目を惹きます。
(三本の杉の全体を、うまく撮れなかったので、佐渡市HPより借用)
三本とも、1000年以上たっていると思えないくらい、勢いのある様子でした。
正面から「仁王門」を見ます。
仁王門という名前の通り、門の左右には、金剛力士像が安置されています。
この二体の金剛力士立像は、いずれも平安時代後期に製作されたものであると
されています。国内に存在する金剛力士像の多くが、鎌倉時代以降に製作され
たものであり、平安時代のものとしては、全国的にも、非常に貴重なものと
されています。
所々、彩色が剝がれてはいますが、力強い像です。
歴史の重みを感じさせてくれます。
本来なら、この仁王門を潜って、参道の石段を登っていくのが、正規のルート
だったのでしょうね・・・。
長い歴史を持ち、今も尚、当時の姿を感じることのできる建物が多く、見所の
多いお寺でした。
佐渡にお越しの際は、是非立ち寄っていただければと思います。
次回は、佐渡を巡る旅③:大膳神社と妙宣寺になります。