二宮家は今も、9代目とその家族が生活する「一般住宅」のため、バラ園の公開
時期にしか、日本庭園の「静勝園」も観ることができません。
折角なので、バラ園を見た後に、「静勝園」も散策してみました。
庭園への門を通って、入っていきます。
門を入るとすぐ、右手に石灯籠と、主屋から続いていると思われる、かわいらしい
建物が見えてきます。
建物の壁が、竹でしょうか?編んだような模様で珍しいです。
真っすぐに進むと、竹林が見えます。
「亀甲竹」と呼ばれるものです。
独特の節が亀の甲羅の模様のように見える「亀甲竹」は、明治20年頃に植栽された
とても珍しい竹です。自然とこの模様になるのだから、面白いですねー・・・。
右手に主屋が見えます。
中には入れないので、外から中の様子を眺めてみます。
打掛が、飾ってあります。とてもきれいです。どなたの物でしょうかね・・・。
主屋の前に、広い庭園が広がっています。
生け込み灯篭、置き灯籠、雪見灯籠と庭のあちこちに配置されている石灯籠も、
「静勝園」を引き立てる影の役者です。その中でも、上の写真右手に写る灯篭は、
伝説の生き物「蛟竜(こうりょう)」が彫られている中台を持ち、特に時代の古い
ものといわれています。
庭は、臥石(ふせいし)を多用した枯山水の平庭となっています。
築山にある五重塔は、丹波五郎佐エ門が豊臣秀吉から頂き、その後、丹波師から
溝口秀勝公に送られたもので、その後、白勢家が譲り受けたものを明治10年に
二宮家が買い受けた物とのことです。
築山を抜けると、広大な「弁天池」が広がります。
この庭園が、壮大なスケールを感じさせるのは、庭園が広大な弁天潟に面していて、
静かに佇むこの庭が、限りなく奥行きの深い空間となっていることが、人々の感動
を呼ぶ一因となっているようです。
池に張り出すように、茶室があります。
中が見れるようになっていたので、少し覗いてみました。
弁天池が、一枚の絵の様に見えます。こんな所で、お茶を頂けたら、さぞ気持ちが
良いでしょうね・・・。
庭には、色々な木が植えられていて、クロマツやアカマツなどの常緑樹をはじめ、
春に咲き誇る皐月ツツジや藤、夏に微笑む百日紅、秋には真っ赤に色づく紅葉や
楓など、四季折々の彩が楽しめるような配慮がされているとのことでした。
庭の美しさ、弁天池の広大さ、謂れのある色々な灯篭や石などをゆっくり観ること
が出来、穏やかな時間を過ごすことが出来ました。
他の季節も、観れたらいいですが、一般の住宅ですから、そうもいきませんね・・・。
バラ園と日本庭園を観ることが出来た、二宮家の見学は終了です。
長い間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
余談ですが、
一緒に行った、アメリカから来た従妹は、「バラも観れて、日本庭園も観れて、
すごく得した気分」と喜んでいました。案内できてよかったです。