昨年11月に2泊3日で訪れた石川・福井の旅。
石川県小松市にある「那谷寺」の続きです。

(那谷寺HPより)
紅葉の始まった庭を進むと、正面に「奇岩遊仙境(きがんゆうせんきょう)」が
見えてきます。


「奇岩遊仙境」は、巨大な岩山に多くの洞窟が空けられた独特の景観で、太古の
海底噴火の跡が長い年月をかけて風化した奇岩とのことです。
松尾芭蕉が立ち寄った際に、句を詠んでおり、2014年に「おくのほそ道の風景地」
として新たに日本国指定名勝に指定されました。
その岩窟に埋め込まれるように建つのが、本殿「大悲閣(だいひかく)」です。



岩壁に寄って屋根を造らず唐木造、向拝、柿葺となり、四方の欄間に山上善右衛
門作の透かし彫りが施されています。昭和16年(1941)に国宝指定を受け、昭和
24年(1949)に解体修理を行い、昭和25年(1950)に重要文化財に新指定され
ました。

本殿は岩窟内にあり、岩窟は「岩屋」と呼ばれています。「いわや胎内くぐり」は
岩屋を巡り祈ることで母の胎内をくぐり抜けたことになります。つまり、この世の
罪を洗い流し、再び母の胎内より新たな自分に魂が生まれ変わることが出来るとの
ことです。
中は撮影禁止だったので、出口のみです。


振り返って見ると、本当に岩と一体化したように本殿はあるのですね・・・。
大悲閣を出て、「大池」の畔を歩いて行きます。


重要文化財に指定されている「三重塔」が見えてきます。


この三重塔は、寛永19年(1642)、徳川家綱の生誕祝に前田利常が建立したもの
と伝えられています。三層とも扇垂木の手法で各層ごとに組み立てられており、
扉には浮き掘りの唐獅子と牡丹が彫られていました。内には胎蔵界大日如来が
安置されています。
奇岩遊仙境を眼下に展望台へとつながる高台の橋「楓月橋」。
朱塗りの橋が美しいです。寛永時代に前田利常公が計画し、現代になってようやく
実現したものとのことでした。


橋の中ほどには、見落としがちですが「木組の猿」がいます。


可愛らしいですね・・・。
展望台からは、奇岩遊仙境の美しい眺めを楽しむことが出来ました。


奇岩遊仙境には石階段があり、かつては登ることができましたが、現在は安全と
景観保護のため、立ち入り禁止になっていました。

2012年に訪れた時は、沢山の方が登っていましたね・・・。(2012.11.23撮影)

展望台の上には「鎮守堂」があります。美しい朱塗りの建物です。


秀麗な白山の神様であられる白山妙理大権現をお祀りしています。
こちらも立ち入り禁止となっていました。(2012年は上からの眺めを楽しむこと
が出来たのですがね・・・)
奇岩遊仙境の前には、池があります。
池に沿って歩きます。


池に映る紅葉が美しかったです。


少し早かった紅葉ですが、十分堪能できました。
道なりに山門に戻って終了です。

1300年以上の歴史を持つ那谷寺。
歴史ある建物や美しい景観を楽しむことが出来ました。
那谷寺散策は終了です。